車のカスタムで頻繁に変更されるパーツといえば「マフラー」です。しかし、マフラーがどこにあるパーツなのかを知っていても、それがどんな役割を果たしているのか知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マフラーが果たしているさまざまな役割や、マフラーをカスタムするメリットをご紹介します。カスタムの際に注意すべき「騒音規制」にも触れているので、カスタムを実行する前に確認しておきましょう。
車のマフラーとは?どんな役割を果たしているか
車のマフラーとは、排気ガスを排出するために必要なパーツの一部です。非常に有名なパーツですが、どんな役割を果たしているかまでは広く知られていません。
まずは、マフラーの主な役割を3つご紹介します。
排気音の消音
エンジンの排気音は非常に大きく、そのままでは大きな騒音を起こしてしまいます。この騒音を軽減させるために取り付けられているのがマフラーです。
マフラーの語源は「muffle(弱める)」という言葉にあり、より直接的な「サイレンサー」という言葉がマフラーを表す用語として使われることもあります。
排気ガスの浄化
排気ガスには、一酸化炭素や炭化水素などの有害物質が含まれます。マフラーはフィルターのような効果も発揮し、これらの有毒物質を浄化する効果も持ち合わせているのです。
排気効率の向上
排気ガスの吐出ペースをマフラーがコントロールすることで、エンジンの効率を高めることも可能です。マフラーの種類により、出力を上げて高速化を実現させることもできれば、一方で中低速に特化した仕上がりに導くこともできます。
車のマフラーをカスタムする4つのメリット
マフラーの交換は、車のカスタムの定番です。多くの人がカスタムする理由として、以下の4つのメリットが挙げられます。それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
1:車のドレスアップができる
マフラーにはさまざまなデザイン・カラーのものがあります。好きなマフラーや車のデザインにマッチするマフラーを選ぶことで、リアビューのドレスアップ効果を生み出せるでしょう。
2:好みの排気音に変えられる
マフラーを変えると、それに合わせて排気音も変わります。好みの排気音に変更することで、運転中の気分を高められるでしょう。ただし「騒音規制」には注意すべきなので、あとの項目で詳しく解説します。
3:軽量でサビにくいマフラーに変えられる
標準装備のマフラーよりも、高品質なマフラーに変更できることもメリットです。軽量なマフラーなら運動性能が上がりますし、サビにくいマフラーを選べばメンテナンスの手間が減ります。
4:エンジン性能の向上が期待できる
高品質なマフラーを選べば、廃棄効率が上がるため、エンジン性能そのものの向上にも期待できるでしょう。
ただし、単純にパイプを太くするだけでは逆効果になる場合があるため、車との相性がよいマフラーを選ぶことが大切です。
車のマフラーをカスタムする際は「騒音規制」に注意する
排気騒音の規制値は強化され続けています。まずは、車検でチェックされる近接排気騒音の基準 を確認してみましょう。以下の基準を上回る場合、罰金または懲役刑に処される可能性があります。
種別・種目 | 近接排気騒音値 | |||
---|---|---|---|---|
平成元年規制 | 平成10年規制 | 平成11年規制 | ||
総重量3.5t超 150kw超 |
乗用 | 107 | 99 | 99 |
乗用以外 | 107 | 107 | 107 | |
総重量3.5t超150kw以下 | 105 | 105 | 105 | |
総重量1.7t超3.5t以下 | 103 | 103 | 103 | |
総重量1.7t以下 | 103 | 103 | 97 | |
軽自動車 | 運転席前方にエンジン | 103 | 103 | 97 |
運転席前方にエンジン以外 | 103 | 103 | 103 |
参考:JASMA 日本自動車スポーツマフラー協会|騒音値規制
この基準に加えて、加速走行騒音値もクリアし、「事前認証」を得ている製品でなければ車検をクリアできません。マフラーを購入する際は、これらの諸条件に注意しましょう。
規制をクリアしているマフラーの見分け方は?
規制をクリアしているマフラーは、「純正品」か「JASMA認定品」のいずれかです。このどちらかを選べば、原則として車検をクリアできます。
ただし、規制をクリアした製品だとしても、劣化している場合は制限を超える音量が出ることがあるため要注意です。中古車や中古パーツを購入する場合は、信頼の置けるショップを選びましょう。
サイレンサーを付ければ車検に通る?
サイレンサーは、マフラーの音量を下げる役割を果たすアイテムです。これを付けることで音量が下がりますが、「保安基準」によって「騒音低減機構を容易に除去できる構造でないこと」という決まりがあります。
つまり、サイレンサーを簡単に取り外せる場合、車検は通らないということです。
車のマフラーをカスタムする方法
車のマフラーをカスタムするために必要なアイテムをリストアップしました。
【マフラーのカスタムに必要なアイテム】
- ジャッキ
- CRC5-56
- シリコンスプレー
- メガネレンチ、ソケットレンチ
- トルクレンチ
- スクレーバー
- ガスケット
- マフラーつりゴム
交換の手順は以下のとおりです。
- ジャッキアップ
- 触媒を見つけてマフラーを取り外す
- 新しいマフラーを装着する
- 最終確認
リア部分をジャッキアップして準備を整えます。
火傷しないようにマフラーを冷やしてから触媒を見つけ、カバーを外します。レンチを使ってナットを緩め、マフラーを取り外しましょう。このとき、つりゴムを使うと簡単に取り外しができます。
取り外しと逆の手順で新しいマフラーを取り付けます。つりゴムの位置を調整して、中心に寄せられたら、ナットを閉めて最終確認を行います。
エンジンの試運転を行い、回転数を3,000に上げて最終確認します。ジョイントからの空気漏れがなければジャッキを外して完成です。
専門的な作業なので、難しいと感じたら諦めて専門店に依頼しましょう。または、最初から車検に通るマフラーを搭載したコンプリートカーの購入もおすすめします。
まとめ
車のマフラーは、排気音の低下や排気ガスの情が、廃棄効率の向上といった役割を果たします。マフラーをカスタムすることで、ドレスアップできることに加え、好きな排気音に変えたり、エンジン性能を高められたりすることがメリットです。
ただし「騒音規制」を上回らないよう注意しましょう。
マフラーの交換は専門的な知識と技術が必要です。「グローバルネット」では、騒音規制をクリアしたマフラーを搭載するカスタムカー・コンプリートカーの販売を行っています。DIYが難しい、面倒という方は、ぜひグローバルネットでお好みのマフラーを搭載した車を探してみてくださいね。